ヴィレ・クレッセ 2020

ワインの詳細

■ドメーヌ ロアリィ
 ブルータス誌で若手ソムリエ7人による3,000円以下のおすすめ白ワイン部門で2位に入ったことで注目を浴びてからはや10年が経ちますが、コストパフォーマンスの高さは相変わらずです。

 マコンらしいフルーティーさのなかにも、蜂蜜やヴァニラの風味に軽いフュメ香も合わさる濃密でまったりとしたワインは、マコネーというテロワールの底力を再認識させて余りある素晴らしいもの。
 植えられているシャルドネ種の平均樹齢は軽く50年以上を超え、最も古いぶどう樹は100年に達するという畑からワインは生まれるが、それらは化学肥料等には頼らず、こまめな世話により丹精こめて栽培されていて、収穫を終えた11月になっても黄葉はするものの、落葉はしないという状態がしばしば。

 只でさえ収量が少なくなる高い樹齢のシャルドネを、ヴァンダンジュ・ヴェールト等で更に収量を落とす。
 収穫はできるだけ遅めを心掛け、加えて全て手摘み――マコネーでは機械摘みが全体の9割を占める――でおこなう。
 発酵はイノックスのタンク――ワインの味わいからは意外だが、樽は一切使用していない――を用いるが、その発酵期間が尋常ではなく、マロラクティーク発酵の終了までをいれると翌年の6月くらいまでかかる。

 2000年ヴィンテージまでラベルにあったアンリ・ゴヤールの文字が2001年産より、フローラン・テヴネに替わった。
 これはロアリィのつくり手であったゴヤール老が健康上の理由からドメーヌを譲ったためのもの。
 マコネーに興味をもつワイン・ラヴァーであればお気付きの通り、このテヴネとは世評の高いドメーヌ、ジャン・テヴネであり、フローランはその長男なのである。当然ゴヤール老とジャンは旧知の間柄であり、ジャンはドメーヌを高く評価していて、その彼が息子の修業のために選んだのがゴヤール老でありそのドメーヌ、ロアリィだった。
 そしてゴヤール老はロアリィでの流儀をしっかりフローランに伝え、2001年産も2000年ものと替わらぬ、いやそれ以上の出来映えの仕上がりとなった。この10年で最上のヴィンテージとも云われる2002年産も当然素晴らしく、続く2003年も期待されたが、2003年6月29日、突然フローランが事故で他界してしまう。急遽、その跡を継いだのが弟のゴティエで、ゴヤール老は再びそのもてる全てを彼に注ぎ込んでいる。

 そのあまりに少ない生産量のため一般的な知名度は望むべくもないが、事情通には圧倒的な支持を得ており、加えて新生ロワリィとしてこれからもおおいに期待を抱かせるマコネーの至宝ともいうべきドメーヌである。
本 
No.608
本体価格 (税込価格)
¥3,150-   (¥3,465- )
容量 750ml
フランス
生産者(社) ドメーヌ・ロアリィ
産地 ブルゴーニュ
地域 マコネ
地区 ヴィレ・クレッセ
葡萄品種 シャルドネ
年度 2020
種類
味わい 甘 ・ ・ ・ ・